コンクリート構造物が抱える問題点と原因

コンクリートの劣化対策はお早めに

トンネルや道路、橋梁(きょうりょう)、防波堤、ダム、マンションやオフィスビルをはじめとする各種構造物など、コンクリートは幅広い場面で活用されています。こうしたコンクリート構造物の耐用年数は短いもので30年程度、一般的には50~60年とも言われていますが、実際はひび割れや亀裂から漏水(水漏れ)し、耐用年数よりも早く劣化してしまうケースが少なくありません。

ではなぜ、耐用年数よりも早く劣化が進んでしまうのでしょうか? こちらでは、コンクリート構造物が抱える問題点と原因についてご説明します。

なぜコンクリートは劣化するのか?

コンクリートの“天敵”は「水」
的確な防水対策で長寿命化できます

コンクリートは、拡大して見ると内部が空隙だらけ。セメントと砂、砂利を固めたコンクリートの内部には「毛細管空隙」と呼ばれる非常に細かい空隙が多数あり、そこから水、酸素、二酸化炭素、塩化物イオンなどが入り込んでコンクリートを劣化させてしまいます。

コンクリート構造物の劣化には多くの場合、水が関係しています。水が直接劣化の原因になることもあれば、劣化を生じさせる化学反応に水が使われることもありますが、いずれにしても劣化を防いで寿命を延ばすには、「コンクリートを水から守ること=防水」が非常に重要です。

コンクリートの劣化要因

コンクリートの主な劣化要因には、以下のものが挙げられます。

  • 塩化物イオン
  • 二酸化炭素
  • 凍結融解
  • 表面の磨耗・衝撃
  • 乾燥収縮
  • 施工不良
塩化物イオン =塩害

常に潮風を浴びる沿岸部のコンクリート構造物は、塩化物イオンの浸入によって劣化しやすくなります。また、寒冷地で使用される塩素系の融雪剤も、塩害の要因となります。

二酸化炭素 =中性化

空気中の二酸化炭素がコンクリート内のアルカリイオンと結び付き、アルカリ性を中性に変えてしまう(中性化する)と、塩素イオンの浸入を助長し鉄筋が錆びやすくなります。

凍結融解 =凍害

コンクリート内の水分が氷になることで体積が膨張し、コンクリートをなかから割ってしまう、寒冷地の施設などで起きやすい現象です。コンクリートにひび割れが発生することで鉄筋が錆びやすくなります。

表面の磨耗・衝撃

流れの速い水路で見られます。水流によってコンクリート表面が削られ、表層部から鉄筋までの厚みがなくなる現象です。石などの硬い物質が当たった衝撃により鉄筋が露出するケースもあります。

乾燥収縮

コンクリートには、乾燥させると体積が減少して固まるという性質があります。固める際に急激に乾燥するとコンクリートの表面と内部で歪みが発生し、割れてしまうことがあります。炎天下や寒冷条件下にさらし続けることも、コンクリートの劣化を招く要因です。

施工不良

打設が甘いとコンクリート内部に空隙が多く、スカスカな状態になります。現在は多くの施工現場で品質管理が徹底されていますが、高度経済成長期に造られたコンクリートでは施工不良も珍しくありません。

その他

アルカリ骨材反応について コンクリートに含まれるアルカリ性の水溶液が骨材(砂・石)の特定成分と反応し、異常膨張と、それに伴うひび割れ等を引き起こします。
日本においては、1980年代にアルカリ骨材反応が問題化したことを受け、1989年には骨材中のシリカ含有量を制限されたため、以降の新設構造物では、ほぼ見られなくなりましたが、70年代、80年代に施工された構造物では、経年により症状が進行しているケースが多く見られます。

どうすれば劣化を抑止できるか?

多くの打設現場で最優先に掲げられているのは、コンクリートの劣化による事故を防ぐこと。多大な荷重や衝撃を支えるために用いられているコンクリート構造物がもし壊れてしまったら……甚大な被害が起こる可能性も否定できません。そうした事態を避けるには、「コンクリートをできるだけ劣化させないこと」が重要です。

既設コンクリート構造物の場合は、弊社または専門業者に調査を依頼したりコンクリート診断士の指示を仰いだりしながら、コンクリートの現状をしっかり把握しましょう。「漏水はなかったけど、これまで特に何も手を打っていない……」という方は、「コンクリートは劣化するもの」とお考えいただき、寿命を延ばすためにコンクリート防水工事をご検討ください。

これからコンクリート構造物を新設される場合は、打設時に防水対策を行うのがおすすめです。セメントに混和するタイプのコンクリート改質材を用いれば後からさまざまな防水工事を行う必要がなくなるので、将来的な手間や時間、コストを少なくすることができます。

ザイペックスでお悩み解消

当社で取り扱う「ザイペックス」は、コンクリート内部でセメント結晶を増殖させ、防水性や耐久性を高めるコンクリート改質材(無機質セメント結晶増殖材)です。コンクリートそのものを改質させるため、表面に防水層と被膜を作る従来の防水材のように表面の傷やひび割れによって防水効果が落ちることはありません。

既設コンクリート構造物の傷みを修復したい場合も、新設コンクリート構造物の耐久性を上げたい場合も、「ザイペックス」なら対応可能です。当社スタッフがお客様のお悩みを解消する最善のご提案をいたしますので、ご遠慮なくお問い合わせください。

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